食料自給率の計算式【品目別・カロリーベース・生産額ベース】

食料自給率(品目別自給率・重量ベース自給率、カロリーベース総合食料自給率、生産額ベース食料自給率)の計算式をまとめています。

品目別自給率

 生産量と消費量で計算する一般的な自給率です。自国で生産した食料を輸出も輸入もせずに自国ですべて消費した場合、自給率は100%になります。
 分子と分母の単位はグラムですので、重量ベースといえます。なお、百分率(%)で表示する場合は100をかけます。

\[ \frac{国内生産量}{国内消費仕向量}=品目別自給率 \]

消費量

 消費量(国内消費仕向量)の計算には国内生産量、輸出量、輸入量が関わってきます。

\[ 国内消費仕向量=国内生産量+輸入量-輸出量 \]

 食べ物すべてが消費されるとは限らず、『在庫』になる食料もあります。この在庫は自給率の計算には含まれていません。

カロリーベース

 カロリーベースの計算はその名の通りカロリーに基づいた自給率の計算方法です。食料の重さをカロリーに換算して計算すると、重量ベースの品目別自給率とは違った値になります。%で表記する場合は自給率に100をかけます。なお、式中の供給熱量はどちらも1日1人あたりの熱量です。

\[ \frac{国産供給熱量}{供給熱量}=カロリーベース総合食料自給率 \] \[ 国産供給熱量=純食料\times品目別自給率\times\\k \] \[ 供給熱量=純食料\times\\k \]

 kは単位カロリーです。単価カロリーは言い換えれば、100グラム当たりのカロリーです。例えば牛肉の場合、281.7kcal/100gという値になります。

 純食料は定義上、国内消費仕向量から算出しますので、国産の純食料を求めるために、品目別自給率を掛け算しています。純食料に品目別自給率をかけた値に、単位カロリーをかけて換算すれば、国産供給熱量となります。

純食料

 供給熱量の計算には純食料を使います。純食料は国内消費仕向量から非食用、減耗、不可触部分を引いた量です。

  • 食料
    国内消費仕向量から非食用を引いた量
  • 粗食料
    食料から減耗量(輸送などで減った分)を引いた量
  • 純食料
    粗食料から食べられない部分(魚の頭や内臓など)を引いた量

生産額ベース

 食料の重さを金額にかえて計算した自給率は生産額ベースの自給率になります。国内生産額の計算時に輸入した飼料と原料の金額を引く必要があります。こちらも、%で表記する場合は100をかける必要があります。

\[ \frac{国内生産額}{国内消費仕向額}=生産額ベース食料自給率 \] \[ 国内生産額=食料\times国産単価-輸入飼料原料額 \] \[ 国内消費仕向額=食料\times単価 \]

食料

 ここでの『食料』は国内消費仕向量から非食用を引いた量です(純食料の項目で紹介した内容と同じです)。

まとめ

 品目別自給率(重量ベース自給率)、カロリーベース総合食料自給率、生産額ベース食料自給率の計算方法をご紹介しました。
 記号を使って数式をまとめると、以下のようになります。

\[ X[%]=\alpha\frac{A}{B}\times100 \]

 Xが自給率で、αが係数、Aが国内で作り出された量、Bが国内に供給された総量です。品目別自給率の場合はα=1です。カロリーベースと生産額ベースの場合は、その品目に合わせた定数をかける必要があります(牛肉の場合は281.7kcal/100gなど)。
 カロリーベースの場合はAを計算する際に、純食料と品目別自給率を使っています。生産額ベースのときは、輸入した飼料と原料を引いています。

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