ルーツブロワとは?役割や構造など
ルーツブロワは送風機の一種です。
この記事では、ルーツブロワーの役割や特徴、構造、用途などをまとめています。
概要
ルーツブロワはインペラを回転させ空気を送り出す流体機器です。
例えば、下の画像のようなルーツブロワがあったとします。画像において、左が吸い込み側、右が吐き出し側だとすると、空気はインペラの回転によって左から右へ移動します。空気が吸い込まれてから吐き出されるまでの間に、インペラとケースによってつくられた空間(=容積。画像において、上のインペラがちょうど水平になった時に生じる上の空間、下のインペラの場合は下の空間)は、空気を吸い込んだ時よりも小さくなります。この容積変化によって、吸い込まれた空気は圧縮されます。
ルーツブロワとターボブロワの違い
ルーツブロワは容積を変化させてガスや液体を圧縮するため、送風機や圧縮機の分類上、容積形と呼ばれます。一方、ターボブロワは羽根などの回転によって圧力差を生じさせ空気などを送風します。このような送風機は分類上『ターボ形』などと呼ばれます。
ルーツブロワは断続的に空気を圧縮するような仕組みのため、吐出空気の圧力変動(脈を打つような流動)が目立ちます。
送風機としての分類
前述の通り、送風機の分類において、ルーツブロワは容積形回転式送風機(ブロワ)に分類されます。容積形は高圧かつ小流量に適しており、空気圧や油圧の目的で使われることが多いです。以下はファン、ブロワ、コンプレッサの分類についてまとめた参考資料です。
インペラ形状
歯車同様、インボリュート、サイクロイドの形状があります。
ベーンが3枚のタイプは3葉式、2枚の場合は2様式と呼ばれます。
用途・役割
ブロワとしては、主に工場で使われます。家庭用の換気扇などは、ターボ形が多いため、一般の方が目にすることは少ないと思われます。なお、ルーツ型の圧縮機(ルーツブロワと同じ構造で、送風ではなく、用途が圧縮のもの)は自動車のスーパーチャージャーに使われています。なお、スーパーチャージャーは、エンジンが吸い込む燃料ガスを増やすための装置です。
- 空気搬送
穀物(小麦粉など)や樹脂ペレットの搬送に使われます - 水処理
水処理プラントの水槽に空気を送り込み、沈殿物を攪拌します - エアブロー
工場でペットボトルや缶の水切りに使われます。冷却や乾燥の用途もあります - ガス供給
都市ガスの供給に使われています