ミストコレクターとは?集塵機との違いと構造について
ミストコレクターは空気中のオイルミストを分離する装置です。この記事では、原理、構造、用途をご紹介します。
概要
空気中に浮遊するオイルミスト(微粒子状の油)を空気から分離する装置です。このオイルミストは切削油(せっさくゆ)を使って金属などを加工する工場などで発生します。
集塵機との違い
ミストコレクターはオイルなどの液滴を集塵するために用いられます。集塵機はちりやホコリといった乾燥したゴミなどを集塵するために使われます。そのため、ミストコレクターは油などの回収専用ですが、集塵機は粉塵などを対象します。
フィルターなどを利用した構造は大きく異なりません。しかし、除去対象が液体と固体(固形物)という違いがあります。
原理と構造
オイルセパレータには以下の種類があり、それぞれ構造が異なります。
いずれも、オイルミストに限らず、集塵方法として使われます。
フィルター
フィルターを使ってオイルミストを除去します。
空気を吸い込むため送風機が使われます。
遠心式
遠心送風機で空気を吸い込み、遠心力でミストを除去します。
大きいサイズのオイルミストは遠心力で吹き飛ばされるため除去できます。
遠心力の影響を受けない小さいサイズのオイルミストは、風にのって、そのまま排出されます。
そのため、遠心式でも、フィルターを用いる場合があります。
サイクロン式
サイクロンセパレーターを利用した分離方式です。
サイクロンセパレーターも遠心力でオイルミストを分離します。遠心式とは違い遠心送風機を必要としません。
電気集塵式
オイルミストを-(マイナス)に帯電させ、+(プラス)に帯電させた電極に付着させる方式です。
オイルミストの帯電にはコロナ放電が使われます。
用途
オイルミストが発生する工場で使われます。
機械加工工場
旋盤加工、フライス加工を行う機械加工工場では、加工時に使用する潤滑油によってオイルミストが発生します。
オイルミストは作業者の健康に害を及ぼします。工場の汚れ、旋盤や空調設備の故障の原因にもなります。