ターボファンの原理と構造【ターボファンとシロッコファンの違い】
ターボファンは送風機の一種です。この記事では、原理、構造、用途、ターボファンとシロッコファンの違いなどをご紹介します。
ターボファンとは
遠心力を利用したファンです。形状は下図の通りです。
ターボファンは軸方向から吸い込み、円周方向に吐き出します。
ターボファンとシロッコファンは遠心ファンと呼ばれます。
扇風機に使われるプロペラファンは軸流ファンです。
ターボファンとシロッコファンの違い
どちらも遠心ファンに分類されますが、形状は大きく異なり、風量タイプか圧力タイプかという特性も変わります。
シロッコファンは小型で高圧です。しかし、風量は少なくなります。一方、ターボファンは風量を多くすることができます。ダクトなどの通風路に風を流す場合が、抵抗が高くなるため、シロッコファンのように高圧なファンが適しています。ターボファンも高圧タイプといえますが、シロッコファンには劣ります。しかし、風量を得ることができます。
シロッコファンは換気扇やノートパソコンの冷却ファンに使われます。
原理
送風機はインペラを回転させることで流体(もしくは液体)にエネルギーを与える流体機械です。
ターボファンなどの遠心ファンは中心部分から軸方向に吸い込み、円周側へ吐き出します。このとき、羽根の回転速度は吸い込み口に近い部分(中心側)と吐き出しに近い部分(外周側)で異なります。この速度差によって、外周側の圧力が高くなります。これが遠心力の効果になります。
羽根の回転と遠心力以外に、流路の面積変化によってもエネルギーを与えることができます。
メリット
送風機には、上記画像のように、いくつかの種類があります。その中で、ターボファンは風量が多く、圧力も高いという傾向を示します。
用途
エアコンやレンジフードに使われています。
エアコン
天井埋込カセットに使われています。オフィスの天井に埋まっているエアコンです。
ターボファンエンジン
遠心送風機のターボファンがエンジンに使われることは絶対にありません。航空機に用いられるターボファンエンジンは軸流圧縮機です。一方、送風機のターボファンは遠心送風機です。名前が同じでややこしく、送風機・圧縮機の分類上、親戚のような関係なので混同しやすいです。