定積比熱と定圧比熱の違いと単位・大きいのはどっち?
比熱の意味、定積比熱と定圧比熱の定義などをご紹介します。
定積比熱Cvと定圧比熱Cpを比べると、定圧比熱の方が大きくなります。つまり、Cp>Cvの関係があります。
比熱とは
温まりにくさを意味します。比熱が大きいほど、温まりにくくなります。
水の比熱は空気の4倍なので、温度を上げるためには空気よりも4倍のエネルギーが必要になります。
より具体的に比熱というのは、1gの物質の温度を1K(1℃)上昇させるために必要な熱量(エネルギー)で、物質に固有の物性値です。なお、1℃上昇と1K(ケルビン)上昇は同じです。
単位
比熱の単位は様々な表し方があるので注意が必要です。例えば、J(ジュール)ではなくcal(カロリー)、K(ケルビン)ではなく℃などです。その他、k(キロ)があったりなかったりという違いもあります。いずれにしても、物質の温度を上昇させるために必要なエネルギーという意味では同じです。
単位の例は以下の通りです。
- [kJ/(kg・K)]
- [kJ/(kg・℃)]
- [cal/(K・g)]
例
空気、水、氷、水蒸気の比熱は以下の通りです。同じ水でも固体、液体、気体などの状態によって比熱は異なります。また、グラフに示す通り、温度によって比熱は変化します。
物質 | 定圧比熱 [kJ/kgK] |
---|---|
空気 | 1.005 |
水 | 4.178 |
氷 | 2.114 |
水蒸気 | 1.884 |
比熱の種類
比熱には定積比熱Cv(定容比熱)と定圧比熱Cpがあります。
定積比熱とは
定積比熱Cvは体積を一定にして求めた比熱です。Cv、内部エネルギーu、温度Tは次の関係にあります。下の式は温度の変化によってどれだけ内部エネルギーが変化するかを示しています。
内部エネルギーは物質を構成する分子が持つ力学的エネルギーの総和です。物質に蓄えられるエネルギー(運動エネルギーと位置エネルギー)ともいえます。
定圧比熱とは
定圧比熱Cpは圧力を一定にして求めた比熱です。Cp、エンタルピーh、温度Tは次の関係にあります。下の式は温度の変化によってどれだけエンタルピーが変化するかを示しています。
エンタルピーはh=u+pVです。内部エネルギーu、圧力p、体積Vを合わせた状態量です。