本を読む人はうまくいく要約・解説|読書の大切さとは?
「本を読む人はうまくいく」の要約と解説です。この本は、読書の大切さを教えてくれる一冊といえます。著者は長倉顕太さんは、仕事柄、いわゆる成功者と呼ばれる人々と頻繁に会う機会があるそうです。そうした成功者たちに共通しているのは、「本を読んでいること」だといいます。ちなみに、アメリカのビジネスマネジメントディグリーの調査によると、富裕層の88%が毎日30分以上ビジネス書などを読んでいるのに対し、年収300万円以下の人で本を読んでいるのはわずか2%でした。

読書が人生を面白くする理由
著者は人生を「つまらないもの」と捉えています。顔が良い、頭が良い、プロスポーツ選手になれる運動神経が良いなど、特別な能力がない凡人にとって人生は「クソゲー」に思えるかもしれません。しかし、凡人がこのつまらない人生を面白くするには「戦略を立ててゲームに勝つ」ことが必要です。お金稼ぎも出世もモテるモテないも、所詮はただのゲームだと考えます。
配られた手札(能力)は変えられませんが、自分の手札を把握し、有利なポジションで活かすことはできます。有利なポジションとは、楽に勝ちやすい立ち位置のことです。例えば、身長が高いならバスケ、低いなら体操などが有利になるでしょう。何事も自分が有利になる場所を見つけ、それを活かすことが大切です。そして、その手掛かりを得る最良の方法が「本を読むこと」なのです。
本を読んで視野を広げ、この世界のルールを知り、自分が有利になるような場所を選び、戦略を考えて実行することが重要です。本を読んでいないと、ゲームのルールも分からず、視野も狭いから不利な立ち位置で戦うことになります。これは身長が低いのにバスケを頑張っているようなもので、10頑張っても結果が1も出ないから苦しい状況です。自分が不利な立場で戦っていることにすら気づいていない人も多いのが現状です。
例えば、インデックス投資の存在すら知らず貯金ばかりする人、資本主義では労働で稼ぐお金よりも資産から得る収入の方が大きくなることを知らない人、砂糖の摂りすぎで体が炎症を起こしてうつ病になりやすいことを知らない人など、ただ知らないことで損をしたり、自滅してしまうケースが多く見られます。
著者自身も、顔も頭も家柄も良くなく、学習院大学中退という中途半端な大学卒ですが、読書という自己投資を徹底して行ってきたからこそ、想像をはるかに超える収入を得て、自由で豊かな人生を手に入れたと語っています。
なぜ本でなければいけないのか?
読書が良いとされる理由は大きく分けて3つあります。
① 読解力が身につくから
- 読解力とは、文章を読んで理解し、分析し、評価し、活用する能力のことです
- この情報社会を生きる上で、読解力は非常に重要な能力です。論文や記事、SNS、報告書、契約書、メールなど、私たちはあらゆることを文章でやり取りしているからです
- 読解力がない人は、物事がぼやけて見えてしまい、よく勘違いしたり、うまく意思の疎通ができなかったり、誤解が起きやすくなってしまいます。これは360Pのぼやけた動画を見ているような状態です
- 逆に読解力が高い人は、世の中を見る解像度が高いから、隅々までよく見えるのです。動画でいうと、世の中が1080Pとか4K画質になっているようなものです
- 当然、解像度が高いと情報を正しく理解でき、人間関係のトラブルも減り、新しい概念や考え方に触れて自分の世界を広げていくことができます
② 能動的だから
- 他の動画や音声は受け身で情報を得ているのに対し、読書は自ら積極的に情報を得る必要があります
- 本を読むときは、本を読むことだけに集中します。その分疲れますが、能動的だからこそ知識が身につきやすく、新しいアイデアや発想も生まれやすいのです
- 心理学者のキャロル・ドゥエックが提唱した「成長マインドセット」という考え方があります。このマインドを持っていると、「失敗=学び」と捉えられるようになり、学力も仕事の成績も伸びやすくなります
- 「自分は努力で人生を変えられる」と思えた方が良いということです。そうでないと頑張れないからです
- 逆に「自分の能力は最初から決まっていて、努力では変えられない」という「硬直マインドセット」を持っていると、努力しなくなり、新しい挑戦も避けてしまうため、最終的にうだつの上がらない状態になりやすいのです
- 哲学者エピクテトスは「変えられるもの」と「変えられないもの」を区別し、変えられることだけに集中しなさいと言っています。見た目や髪型、眉毛、化粧など、変えられることはたくさんあります
- その状況状況で自分なりにやれることに励むことが大切です。もし今「どうせ無理」と思っているのなら、自分と同じような境遇から幸せになった人の本を読んで、「やれるかも!」と嘘でも思えた方が良いでしょう。努力しても無駄、夢も希望もない状態だと人生は開けてこないからです
③ 人間関係が豊かになるから
- 読書をすると、今の環境の外の声を聴くことができます。
- 人の行動や考え方に大きな影響を与えるのは、今の環境や周りの人の声です。周りが勉強していれば自分も自然と勉強するようになり、周りが悪いことをしていれば自分も影響されて悪いことをしてしまうものです。「類は友を呼ぶ」と言います
- 投資家ジム・ローンは「あなたの身の回りにいる5人の平均年収が、あなたの平均年収になる」と言っています
- もし自分が今の環境から抜け出して大きな成果を出したいと思うのなら、うまく行っている人たちと過ごしたり、そういう人たちの考え方をインストールした方が良いのです
- まだ何者でもない自分が成功している人と直接会って話すことはできませんが、本なら読むことができます
- 本を通して成功している人たちと対話することで、「親や身近な人の考え方が絶対ではない」ということに気づけます。選択肢も広がっていくでしょう
- 例えば、お金を稼げない人というのはすぐに資格を取ろうとしがちですが、お金持ちになる人は資格などどうでもいいと思っていることが多いです。それよりも、資産を持つことや、商品やコンテンツを作る方が100倍大事だったりします
- そういう意味でも自分を変えていきたいのなら、読書をして今の環境の外の声を聴くことが大切になるでしょう
効果的な本の選び方について
効果的な本の選び方は大きく分けて3つあります。
① 書店に足を運んで気になった本を手に取る
- 私たちはほとんどの選択を無意識に行っています。例えば、タイプの女性がいたくさんいてもその子のことを見つけたり、腕時計など「なんかいいな」と思うものを見つけたりするのと同じです
- 同じように書店に行って、表紙をバーッと見ながらつい目が止まってしまう本というのは、自分が無意識に興味を持っている本である場合が多いのです
- そういう意味でも、なんとなく気になった本を手に取るというのは、自分が心の底で求めているものである場合が多いと言えます
② 自分が現在直面している問題や課題を解決してくれる本を複数読む
- これは先ほども少し触れたことですが、マネジメントに悩んでいるのならマネジメントの本を、人間関係に悩んでいるのなら人間関係に関する本を読むようなイメージです
- 大体、自分の悩んでいることというのは、すでに誰かが悩んで解決していることが多いからです
- そういった本を読むことで、解決の糸口を見出すことができるでしょう。ポイントは、1つのテーマについて大体5冊以上の本を読むことです
- 例えば、インデックス投資なら「JUST KEEP BUYING」とか「敗者のゲーム」、「お金の増やし方を教えてください」、「本当の自由を手にいれるお金の大学」などを一通り読んでおくと、基礎知識が手に入ります。どの本にも「コツコツ長期に続ける」と書いてあることから、そこが重要だと言えるでしょう
- それに、今自分の抱えている問題を解決してくれる本は、漫画みたいに面白く読み進めていけるはずです。すぐに自分の人生に役立つでしょう
③ 尊敬している人のおすすめの本を読んでみる
- 実際、星野リゾートの経営者である星野佳路さんは読書家として有名で、その中でも特にマーケティングや戦略の本をよく読んでいるそうです
- ちなみに「学ぶ」という日本語の語源は「真似る」に由来するとされています。スポーツでも仕事でも漫才でも、まずは見たもの聞いたものを真似することが学ぶことの本質です
- だから本に書かれていてビビッとくるものがあれば、実際に試してみるのが良いでしょう
- 本を読むことは、シンプルにたくさんの本を読んでいる人のほうが当たりを知っていることが多いですし、尊敬している人に影響を与えた本を読むことで、その人の考え方の元となった考え方を知ることができるようになるからです
本を読むキャラを演じてみる
今まで本を読んだことがない人がいきなり無理に本を読もうとすると、挫折してしまうことがほとんどです。なぜなら、脳は現状維持を望むものだから、変化しようとすると全力で抵抗してくるからです。読書に限らず、いきなり新しいことを始めようとすると跳ね返されてしまうことが多いのです
そこでこの本でおすすめされているのが「Fake it until you make it」、つまり「できるようになるまでできるフリをする」という方法です。最初はハッタリでもいいから成功しているフリをして踊っていれば、やがて本物の成功にたどり着けるという考え方です
「モテない人がモテる人を演じてもモテないと思うかもしれない」という意見もあるかもしれませんが、近づくことは結構できます。モテる人の美意識は半端ないからです。アートメイクや歯の白さ、髪型、化粧、服装などにめちゃくちゃ気を遣っています。最初は柄じゃないと感じて気恥ずかしいかもしれませんが、やっているうちに慣れて板につくでしょう
読んだ本の感想を発信する
無理に本を読むのではなく、まずは自分の興味のあることをはっきりさせてから読むことをおすすめします。読みたくないのに読んだって楽しくないし、あまり役に立たないでしょう。
大体の人は気づいていないのですが、本を読んで学んだことを理解しているようでできていないことが多いからです。例えば、アドラーの「嫌われる勇気」を読んだ人がその内容を説明してくださいと言われたら、みんな口ごもるはずです。人は誰かに説明するときに、自分がその物事を深く理解していないことに初めて気づくものなのです。
勉強でも、教える方が教えられる方よりも学びになるのは、「なんでこうなるのか?」「つまりどういうことなのか?」「反論されたらどう返すのか?」を考えることで物事を深く理解できるようになるからです。
しかもアウトプットすると、自分の感想にたくさんの「いいね」がついてモチベーションが上がる可能性があります。今だとAmazonのレビューに気軽に書き込むこともできますし、学んだこと、思ったことをサクッと自分なりにアウトプットしてみると良いでしょう。
まとめ
- お金持ちは本を読んでいる人が多い
- なぜなら本を読んで視野を広げることで、この世界のルールを知り、自分が有利になるような場所を選び、戦略を考えて実行することができるから
- また本を読むと「努力で人生を変えられる」と信じられる成長マインドセットになりやすい
- 読書は必ず行動とセットで行うのが基本
- 読書をすると今の環境の外の声を聴くことができる
でもなんで本じゃなきゃいけないのか?
- ①読解力が身につくから
- ②能動的だから
- ③人間関係が豊かになるから
効果的な本の選び方について
- ①書店に足を運んで気になった本を手に取る
- ②問題や課題を解決してくれる本を複数読む
- ③尊敬している人のおすすめの本を読んでみる
- なかなか本を読めない場合は、本を読むキャラを演じてみる
- 最後に読んだ本の感想をSNSやnote、動画などでアウトプットしてみる