AIがどこまで人の代わりになるのか、AIとの関わり方はどう変わっていくのか、そして変化の激しい時代で生き残るにはどうすれば良いのかについて意見をまとめています。AIの進化は指数関数的に進んでおり、1ヶ月で大きく状況が変わることもあるため、常に最新の情報をキャッチアップし、実際にAIに触れて試すことが重要です。AIを恐れるのではなく、その可能性を最大限に引き出し、人間とAIが共存する未来を創造していくことが求められています。業務内外を問わず、AIを積極的に活用し、好奇心を持って触れることが、個人の成長と変化への適応に繋がります。

今後のAIについて
「AI2027」というレポートでは、2027年までにAIがどのように進化していくかが予測されています。一部を紹介します。
- 2025年:個人のアシスタントや自動化ツールとしてAIが普及。AIエージェントの飽和
- 2026年:AIがAIの開発を助けるようになり、研究開発が加速。中国がAI分野でさらに台頭
- 2027年:AGI(汎用人工知能)が登場し、人類の最高峰の知能を大きく上回る性能を持つようになる。人間の理解を超えるスピードで進化し、週単位で1年分の進歩を達成するかもしれない
具体的な業務では下記のような活用方法が期待されています。
- 社内のマニュアルや業務データをAIに学習させることで、部門横断的にノウハウを共有し、過去のヒヤリハットを検知してリスクを未然に防ぐ運用が可能になる。社内のSlackの会話履歴やドキュメントを学習することで、これまで属人化していたノウハウを仕組み化し、 組織全体で活用できる状態にする
- 生成AIを活用すれば、これまで仕組み化できなかった業務もAIに任せられる時代が来ると予測している。例えば、引き出しが多い上司のAI化など
- AIが理解しやすいようにデータを整備していく支援の提供。社内のデータの8割が非構造化データ(そのままAIに与えても理解できないデータ)であるという調査結果がある
AI活用の現状
業務(仕事)での活用は下記の通りです。
- エンジニアの開発業務において、AIツールを活用することで既に3割の工数削減を達成している事例もある。半年前は1割程度の削減だったが、急速に進化しており、このままいけば2年後には業務の9割がAIに置き換わるかもしれないと思えるほどで、「AIが勝手にやってくれるので、人間は暇になる」という感覚を経験している人もいる
- デザイナーは自身の成果物を誰かにレビューしてもらうときに、AIにレビューしてもらったどうかを尋ねられることが多くなった
プライベートでの活用は下記の通りです。
- 人には簡単に言えない悩みの相談。感情を持たないAI相手であれば、自己開示が容易
- 20代の若者を中心に、AIをキャリアや悩み相談の相手として当たり前に活用する傾向が見られる
AIの役割と関わり方
ChatGPTのようなAIが100%の正答率を出すのは難しいと考えられるので、AIからのアウトプットを鵜呑みにするのではなく、人間がそれを解釈し、判断することが重要です。AIが正解を与えてくる存在として誤認されるリスクがありますが、AIは正解ではなくあくまで仮説を提供してくれる存在と認識し、人間は思考を止めずに対話のパートナーのような捉え方をすべきです。
AIが自分のことを理解してくれる分身のような感覚を持つことで、そのサービスがなくては困る存在になり、解約されにくくなるといえます。これはユーザー体験の観点からすると、非常に理想的な状況といえます。将棋や囲碁、チェスなどのゲームではAIが人間よりも強くなっていますが、それでも人間同士の対局に感動するのは、人間が努力する姿に共感するからです。そのため、AIには「人を動かす、共感・感動させる業務」の代替にはならず、これは人間にしかできない領域であると考えられます。