海外でタヌキは貴重!【世界に分布していて日本だけではないけど…】

海外におけるタヌキは、日本での一般的なイメージとは異なり、その存在自体が珍しく、時には空想上の生物とさえ思われていることがあります。地理的な希少性や、日本文化の象徴的な存在としてなど様々な形で注目されています。

海外での認識と希少性

日本では身近なタヌキですが、海外では非常に珍しい動物として認識されています。例えば、TikTokの動画で「タヌキは日本以外では激レア」という情報が流れた際、実際に外国人にインタビューしたところ、インドネシアではタヌキを知らない人が多く、アライグマと区別がつかないという声がありました。また、スーパーマリオブラザーズの「タヌキスーツ」の影響で、タヌキを任天堂が発想した空想上のキャラクターだと思っているアメリカ人も少なくありません。英語名が「Raccoon Dog(アライグマのようなイヌ)」であること自体に驚く人もいます。

珍獣としての価値

海外ではタヌキが「パンダ並の珍獣」として扱われることがあります。実際に、日本の動物園がシンガポール動物園と、世界三大珍獣の一つであるコビトカバとタヌキを交換した事例があります。シンガポール動物園では、タヌキのために冷暖房完備の専用宿舎が用意されるなど、特別な待遇を受けています。

観光客の関心

日本の街中で見かけるタヌキの置物も、外国人観光客にとっては「かっこいい」「かわいい」と非常に魅力的に映り 、購入する人もいるほどです。

本来の生息地と海外の分布

元来、タヌキは朝鮮半島、中国、ロシア東部などの極東地域にのみ自然分布していました。

1928年に毛皮目的で旧ソビエト連邦に移入された個体が野生化し、その後ヨーロッパ各国(ウクライナ、エストニア 、オーストリア、オランダ、カザフスタン、スイス、スウェーデン、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ共和国、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア共和国、モルドバ、旧ユーゴスラビア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ヨーロッパロシア)へ分布を拡大しています。

海外での利用と文化

  • タヌキの毛皮は上質であるため、中国やロシアでは産業的な人工飼育が行われています
  • 中国では現在も一部でタヌキが食用にされており、「野味(げてもの料理)」や薬膳の一つとして利用されます。臭みのある肉であるため、ニンニクやネギ、香辛料などを使って臭みを隠し、煮込んで柔らかくする調理法が用いられます
  • アメリカ合衆国では、本物のタヌキの毛皮が「フェイクファー」と偽って販売される問題が度々発生しています
Next Post Previous Post