AIとテキストマイニングの違い

テキストマイニングとAI(人工知能)の違いを解説します。はじめに、AIとは、テキストマイニングとは、を簡単にまとめています。

AIとは

AI(人工知能)の学術的な定義は様々です。一般的には、人のように働くシステムの名称を意味します。言い換えるならば、データ(画像や言葉など)を人間のように処理するシステムといえます。

例として、ここでは、SF映画などに登場しそうなロボットをイメージしたいと思います。
そのロボットは、人間と会話ができます。この会話のために必要な技術のひとつは自然言語処理と呼ばれます。具体例として、スマホに搭載されているSiriは、人間(執事)のように、人の言葉を理解し、役立つ情報などを提供してくれます。

さらに、ここで想定するロボットは、犬と猫を区別することもできます。これができるようになるためには画像処理の技術が必要となります。これら自然言語処理や画像処理は、AIの要素技術といえます。

自然言語処理

自然言語処理とは、自然言語(人間の話す言語、C言語などのプログラム言語と区別するため用いられる)をコンピューターに理解させるための技術や研究分野です。

テキストマイニングとは

テキストマイニングはテキストデータの分析手法です。文章で使われる単語を数え上げるなどして、文章の特徴を分析します。単語を数え上げる、というのは初歩的な分析手法ですが、これ以外にも様々な分析方法があります。

テキストマイニングの事例でよく紹介されるのは、お客様アンケートや口コミの処理です。アンケートなどは人が内容を読み込むことが重要となります。テキストマイニングを使えば、さらに理解を深めたり、新しい発見が得られたりします。

下の画像は、映画の口コミ(レビュー)をテキストマイニングで分析した結果です。下記の画像を使うと、映画のレビューで、画像に登場している言葉がよく使われ、その言葉は線で結ばれた言葉と一緒に使われた、ということがわかります。

要素技術

AIの項目で紹介した自然言語処理はテキストマイニングの基礎となる技術でもあります。ベースとなる技術は一緒ですが、AIとテキストマイニングは同じではありません。たとえば、車とプロペラ飛行機の動力は、燃料を燃やして動力を得る内燃機関という技術が使われていますが、自動車と飛行機は異なります。乗り物、というように、大きな分類で同じものとすることはできますが、それは、AIとテキストマイニングがIT技術であると言っているのと同じです。

違い

前述の通り、AIとテキストマイニングは共通する技術をベースにしていますが、同じ土俵にあげること自体、あまり意味がありません。もしもAIを、自律したシステム(自分で学習し、方針を立てるシステム)と定義するのであれば、テキストマイニングはただの分析手法であって、全く異色のものです。

宣伝文句

企業やメディアはテキストマイニングという言葉にAIに置き換えて使っています。視聴者や消費者に訴求するためだと思われます。AIで分析した、などという言葉は、結局、テキストマイニングをやった(つまり統計的に分析した)、というだけの場合がほとんどです。

このようなことが起きている理由は要素技術が同じだからだと思われます。人工知能と呼ばれるシステムに使われている手法は、テキストマイニングでも使われます。

まとめ

AIとテキストマイニングについて解説しました。最後に両者の違いをまとめます。

  • AIは人を模倣したシステムの総称
  • テキストマイニングは文章を分析し知見を得ること
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