非線形とは?線形との違いをわかりやすく簡単に解説!
数学や物理などに登場する線形と非線形についてです。
いろいろ省略して簡単にいうと、非線形はグラフを書いたときにまっすぐにならない数式のことです。
概要
数式に線形や非線形という言葉が使われる場合、線形は「直線」、非線形は「曲線」と言い換えることができます。
数式をグラフにして、それが直線になったら線形の数式(線形方程式)であり、曲線になったら非線形の数式となります。
物理の場合は数式に表されている物理量の関係(力と加速度の関係、力と変位・バネの移動量の関係などなど)が、線形であるか、非線形であるかを意味しします。
非線形は予測が難しい
いずれにしても線形は直線だから予測しやすく、非線形は曲線であるため予測が難しいです。そして、線形方程式は簡単に解けますが、非線形方程式はほとんど解くことができないため、コンピューターなどを使って近似解を求める必要があります。
線形とは
線形は直線で示すことができる数式です。比例とも呼びます。数学的には、変数が1次の数式が線形方程式と呼ばれます。
線形の関係は、単純に増加もしくは減少するため、予測しやすいです。
例
中学の理科などで登場するオームの法則は線形です。オームの法則の場合、電流と電圧の関係が直線で表せる(線形である)といえます。予測がしやすいというのは、電圧を2倍にすれば電流も2倍になるという意味です。
バネの伸び縮み
あるバネを5cm伸ばすためには、1N(ニュートン)の力が必要になるとします。もしも、バネと力の関係が線形だとわかっていれば、バネを10cm伸ばすためには2N、20cm伸ばすには4Nと、簡単に予測することができます。
しかし、非線形の場合は、10cm伸ばすためにどれだけの力が必要になるかわからず、予測することができません。
ここでいうバネと力の関係はフックの法則として、線形で表すことができます。
しかし、バネが伸びきった状態は非線形の関係になります。
非線形とは
非線形はグラフのイメージの場合、直線以外で表される数式です。非線形で表される関係は予測が難しいです。
例
空気の流れを表す方程式は非線形です。この方程式は、ナビエ・ストークス方程式と呼ばれ、解くと100万ドルの賞金が貰えます。
物体の伸び縮み
下の図は、金属などを引っ張った時に生じる力を表したグラフです。バネと同じように、10cm伸ばすのに1Pa(パスカル)の力が必要だとわかっても、線形ではないので、20cm伸ばすために必要な力は全く予想できません。